腸内フローラが健康に与える影響について

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これまで人はさまざまな病気に対して医学を進歩させて、不治の病といわれた難病にも治療法を見出して多くの人の命を救ってきました。それでもまだまだ原因不明であったり治療法が確立していない難病は数多くあり、今この時も病気で苦しんでいる人はたくさんいるのが現実です。

一言に治療といってもそのアプローチ方法は多く、薬剤投与による化学治療や外科手術を伴うような外科治療、あるいはガンに対してであれば放射線治療などあらゆる専門家がその人の症状や病気の進行具合、さらには個人の体の性質に応じて適切な治療法を選択しています。

近年注目を集めているのが腸内活動から全身の健康を考えるアプローチ方法

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人の腸は「第二の脳」と呼ばれるほどに全身の各器官に関連する働きをもっていることが近年の研究からあきらかになってきているのです。

人の腸内には多種多様な細菌が存在し、それぞれが役割をもって機能しています。その数なんと数百種にもおよび、実はまだ発見されていない腸内細菌もいるといわれているほどです。特に小腸から大腸にかけて多く生息している特徴があり、各細菌はその種ごとにグループを形成して腸内の壁面に存在しています。

ここでポイントとなるのが「腸内フローラ」という言葉です。

腸内フローラとは、先ほど述べたような非常に多く存在する腸内細菌を顕微鏡でのぞいた時、それらはまるで植物の群生のようにみえることから名づけられました。「flora(フローラ)」とは英語でお花畑を意味することから、植物の群生になぞらえて使用されているのです。

前述したようにそれぞれの体は全く違った性質をもち、それは治療法にも影響してきます。ある人にはAという薬剤が効果を示すのに対しほかの人には効果を示さない、ということが起こりうるのです。

体の性質が個人で異なるように腸内環境もまた一人ひとり異なっていて、腸内フローラも全く同じということはありえないのです。その背景には、生まれ持った腸内細菌の種類の異なりや食事内容、生活習慣・人種・年齢などさまざまな要因が挙げられます。これらの違いが重要なポイントとなります。

つまり、生活習慣が乱れていたり食事内容が偏っていたりするとそれが影響してあまり良くないバランスへと変化してしまうということなのです。良くないバランスとは、腸内細菌の種類の偏りを意味しています。

腸内細菌は大きく3つのグループに分類できます。

1つ目は、善玉菌です。善玉菌は乳酸菌を代表するように腸の運動を促進したり悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、整腸作用を促すことで知られています。乳酸菌のほかにはフェーカリス菌、アシドフィルス菌、ビフィズス菌などがあります。体に良い働きをするため、善玉菌の増殖は人の健康にも大きく関わってきます。

続いて2つ目は、逆に体に悪影響を及ぼす悪玉菌です。悪玉菌は腸内で増殖すると有害物質を生産し、腸内環境を悪化させて便秘や下痢など腸の活動が滞り、最終的には全身の不調へとつながってしまいます。悪玉菌は具体的にはウェルシュ菌や病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌などが知られています。

そして3つ目は、善玉菌や悪玉菌のどちらにも分類されない日和見細菌と呼ばれるグループです。日和見細菌は腸内の善玉菌あるいは悪玉菌で腸内環境に応じた優勢な方に同調して作用する特徴があります。そのため「日和見」という名づけがなされているのです。

それでは、理想的な腸内フローラのバランスとはどのようなものなのでしょうか。

これは明確な数値で表されており、「善玉菌2割:悪玉菌1割:日和見菌7割」といわれています。意外と善玉菌の量は2割と低く、日和見菌の割合が高いことがわかります。つまり、明確な役割をもっている善玉菌は一部であって食生活や生活習慣を改善すれば日和見菌が善玉菌に同調しやすくなり、腸内環境は改善に向かうことができるのです。

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しかしながら、乱れた栄養バランスや生活習慣を続けていると腸内フローラも悪玉菌の割合が多い方に傾き有害物質の増加を引き起こしてしまいます。そうなると、前述したような腸内環境の悪化だけでなく、しまいには有害物質が腸から吸収されて全身へとまわり、肌荒れや肩こり、基礎代謝の低下、疲労感などを引き起こす原因となってしまいます。

まだ明確な治療法として確立してはいませんが、なんと腸内フローラを3グループからさらに細かく腸内細菌を分類して個人のデータとして収集し、それをもとに食生活の改善や腸内細菌のコントロールをすることで免疫力のアップ、そしてがん治療へと発展させる治療法が一部の病院ではじめられています。

なんと驚くべきはその発展させられる病気の幅広さです。がんだけでなく、アンチエイジング、糖尿病、アトピー性皮膚炎、肥満などにも効果があるといわれています。この研究はまだまだ発展途上であり、これからさらなる発見とともに臨床応用されれば医療の発展にも大きく寄与すること間違いない分野といえるでしょう。

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